矯正治療で抜歯が必要なのはなぜ?非抜歯の条件は?
■矯正治療で抜歯が必要なのはなぜ?非抜歯の条件は?
歯並びの治療では、健康な歯を抜かなければならなくなることがあります。これを専門的には「便宜抜歯(べんぎばっし)」と呼び、虫歯にもなっていない歯を抜くことに強い抵抗を感じる方も少なくありません。今回はそんな矯正治療で必要となる抜歯について、詳しく解説します。
▼歯並びが悪くなる原因
日本人に多い出っ歯や乱ぐい歯、八重歯などは、スペース不足が原因となっているケースがほとんどです。顎の幅が狭かったり、長さが短かったりすることで、28本の永久歯が入り切らずにデコボコとした歯列を形成してしまうのです。逆に、スペースが余っているすきっ歯のような歯並びでは、抜歯を行う必要はありません。ですから、矯正治療で虫歯が必要となるのは、スペースが不足しているケースに限られるといえます。
▼小臼歯を抜歯することが多い理由
便宜抜歯では、前から4~5番目の小臼歯が選ばれることが多いです。これは矯正治療のために抜いたとしても、審美面や機能面において最小限の影響しか及ばないからです。例えば、前から1~3番目の歯を抜いてしまうと、口元の見た目が大きく変わってしまいますよね。一方、前から6~7番目の大臼歯を抜いた場合は、噛む機能に大きな支障をきたしてしまいます。その中間の位置にある第一小臼歯と第二小臼歯なら、取り除いたとしてもそれほど大きな悪影響は及ばないといえます。
▼マウスピース矯正なら抜歯をしなくても済む?
非抜歯になる条件というのは、基本的にスペースが足りているかどうかなので、矯正法によってその判断が大きく変わるということはありません。ただ、インビザラインに代表されるマウスピース矯正の場合は、大臼歯を後ろに動かしやすいというメリットがあります。それに加えて、前歯を前方に傾けたり、歯の側面を少しずつ削る「ディスキング」を行ったりすることで、抜歯を回避できることもあります。そこはあくまでケースバイケースであり、精密検査をしてみなければ診断を下すことはできません。
▼矯正の抜歯は悪いものではない
ここまで矯正の抜歯について解説してきましたが、便宜抜歯は決して悪いものではありません。むしろ抜歯して得られるメリットの方が大きい場合に限り、適応されるものなので、ネガティブなイメージを持たなくても良いといえます。その点についてさらに詳しく知りたい方は、いつでもにこにこ歯科までご相談ください。
▼まとめ
今回は矯正治療で行う便宜抜歯について解説しました。スペースが絶対的に不足しているケースでは、抜歯を行うことで仕上がりも驚くほど良くなります。逆に、抜歯を行わない前提で矯正を進めてしまうと、あまり良い結果が得られないことも多いです。いずれにせよ抜歯を始めとした治療方針については、主治医としっかり話し合った上で決めることが大切です。